研究課題/領域番号 |
09610047
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
神野 慧一郎 摂南大学, 経営情報学部, 教授 (10046948)
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研究分担者 |
霜田 求 熊本学園大学, 経済学部, 助教授 (90243138)
石崎 嘉彦 摂南大学, 国際言語文化学部, 教授 (80232289)
長沼 忠兵衛 摂南大学, 国際言語文化学部, 教授 (60019065)
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キーワード | 社会変動 / エートス / 思想史 / 政治史 / 人権 / 社会正義 / シュトラウシアン / リベラリズム |
研究概要 |
研究者はそれぞれの分担分野での研究に従事した。代表者神野は、17-8世紀イギリスの政治倫理思想、とりわけ合理主義とは対立する視点から理論を展開したマンデヴィルやモーラル・センスを重視した思想家たちの理論と社会変動の関係に焦点を合わせて研究を行った。分担者長沼は、思想史と政治史が交差する地平から、19-2φ世紀の歴史と社会主義・共産主義の運動とその挫折について考察を進めた。分担者石崎は、昨年の研究を引き続く形で、アメリカのシュトラウシアンの政治哲学の研究を進めた。その中でもとりわけ今年度は、迫害の中で思想を表明するテクニックとしてのArt of Writingの問題を中心に据えて研究を行った。分担者霜田は、現代社会を根底的なところから規定しているリベラリズム、デモクラシー、多文化主義とエートスの関係、そしてそれらが社会を突き動かすメカニズムについて研究を進めた。 こうした研究代表者・分担者それぞれの個別的な領域での研究に加え、本年度はその研究の締めくくりとなる時期(2月19日から2月28日)にベルギーのブリュッセル自由大学人文学部からギー・アルシェル(Guy Haarscher)教授(学部長)を招聘し、摂南大学をはじめとする四つの大学で、(1)冷戦終結後のヨーロッパにおける社会正義の問題、(2)レオ・シュトラウスは本当に保守的な人だったか、という2つの標題で講義を行っていただき、今日のヨーロッパにおける政治的枠組みの変動と人々の生のあり方、社会的意識、人権、社会正義などの問題についての知識及び情報の提供を受け、他大学の研究者を交えた討論を通じて我々の研究をさらに前進させた。 また石崎と霜田他の共訳者と共同して、昨年来進めてきたS・ローゼンの『政治学としての解釈学』 (石崎嘉彦監訳、ナカニシヤ出版、1998年11月刊)を翻訳出版した。
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