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1998 年度 実績報告書

地方に残る雅楽・能楽の古楽器研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610056
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

高桑 いづみ  東京国立文化財研究所, 芸能部, 主任研究官 (60249919)

研究分担者 勝木 言一郎  東京国立文化財研究所, 情報資料部, 研究員 (50249918)
加藤 寛  東京国立文化財研究所, 修復技術部, 室長 (70161114)
樋口 昭  埼玉大学, 教育学部, 教授 (60015287)
キーワード雅楽 / 能楽 / 楽器
研究概要

今年度も、昨年度に引き続き地方の寺社に残された鼓胴の実地調査をおこなった。
なかでも興味深かったのは飛騨古川の荒城神社所蔵の鼓胴二点である。この研究グループでは雅楽から能楽の大鼓胴に至る過渡期の遺物を何点か発見してきたが、今回の発見でまたひとつ過渡期の例が増えたことになる。ただ、奈良県石上神宮や香川県神谷神社が所蔵する鼓胴は、素材や形態、寸法がほとんど一致していたため、過渡期の楽器と言えどもある程度規格が固定していた、と考えていたのだが、この仮説を多少訂正しなければならなくなった。荒城神社所蔵の鼓胴は、今まで発見した過渡期の鼓胴とは寸法や形態が少々異なっていたのである。一点はほとんど同じだったが、もう一点は寸法も大きく、棹の中央に太い帯を三本突出させ、雅楽鼓の面影をより濃厚に残していた。当然の事だが、過渡期の作例が何段階かあったという結論になるだろう。
次に、興味深かったのは、細見美術館蔵の鼓胴である。これは形態、文様ともに教王護国寺蔵の鼓胴とほとんど同じであった。同一作者の可能性が考えられる。
また、実際に法量の計測は行なえなかったが、五島美術館で行われた「益田純翁展」に出品された「伎楽鼓胴」は、形態や寸法の点で想像を絶する作例であった。従来の音楽史では報告されていなかった四鼓の実例、と考えられる。
今年度は能楽と大鼓胴の調査も並行して行い、名古屋能楽堂主催「大倉家伝来名品展」、早稲田大学演劇博物館主催「川崎九淵展」の鼓胴、神戸市博物館所蔵の「鉄砲蒔絵大鼓胴」を調査した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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