研究課題/領域番号 |
09610057
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
信太 司 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助手 (10272650)
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研究分担者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助教授 (50135183)
山崎 隆之 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60015279)
長澤 市郎 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (40172522)
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キーワード | 塑像 / 仏像 / 十二神将 / X線透過写真 / 心木構造 / イメージング・プレート |
研究概要 |
既に撮影済みの十二神将全像のX線写真の図化作業をさらに進めた。画像処理によるフィルム画像の鮮明化を行う為にX線フィルムのデジタルデータ化を外部委託した結果、そのデジタルデータを市販の画像処理ソフトで簡易に処理するのみで、多くの箇所について細かい構造が読みとれるようになり作業は大幅に進展した。コントラストの不足するX線画像の読みとりに画像処理は大変有効であることが実証された。 しかしながら、胸部などの厚い箇所では依然として十分な可視化は出来なかったので、平成10年度に行った再度のX線撮影のデータを併用した。このときの撮影は、感度が高くラチチュードが広いことで知られるイメージングプレートを使用したので、大変良い元画像を習得する事が出来た。この新しく得られたデータについても画像処理を行い、より鮮明なものとし、図面の改訂作業を行った。また、全身のX線画像とするためにコンピュータ上での画像の張り合わせ作業を行い、等身大に近いフィルム出力を行った。この結果をもとに基本心木模型を制作し、解読結果を検証し構造特性についても考察した。内部構造がかなりの程度に明らかになり、天平塑像のすぐれた表現を支える発達した塑造技法がそこに窺われた。 以上の成果を纏めて最終報告書を作成した。
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