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1998 年度 研究成果報告書概要

ワーキングメモリの脳内機構の研究 : 言語・空間処理の事象関連電位による解析

研究課題

研究課題/領域番号 09610079
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 実験系心理学
研究機関大阪外国語大学

研究代表者

苧阪 満里子  大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70144300)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードワーキングメモリ / 事象関連電位 / P300 / かな / ドット
研究概要

本研究の目的は、言語情報と空間情報処理過程におけるワーキングメモリの脳内機構を、脳の生理学的基礎データから測定することであった。認知心理学の領域では、Baddeley(1986)によるワーキングメモリモデルの下位システムである音韻的ループと視覚・空間的スケッチパッドのそれぞれの処理に対応したワーキングメモリ機能を想定した実験データが蓄積されつつあるが、一方で、その脳内機構の解明が必要であると考える。そこで、本研究では、音韻的ループと視覚・空間的スケッチパッドに対応した言語情報と空間情報処理過程について、生理学的実験データから検討することを目的とした。
そこで、ワーキングメモリ課題負荷の下で事象関連電位の測定を行い、さらに事象関連電位のトポグラフィ測定をから、言語情報と空間情報のそれぞれの処理過程と対応した脳の部位の推定を行った。
言語刺激では、かな文字を刺激材料とし、空間刺激にはドットを刺激材料に用いた。そこでは、先行する記憶刺激と一致した条件(inset)と、記憶刺激と一致しない条件(outset)を設定して、また記憶刺激のセットサイズを3桁と8桁に変化させた。さらに、事象関連電位のトポグラフィ測定を行うことにより、言語刺激(かな)と空間的刺激(ドット)に対応したワーキングメモリの脳内部位の推定を行った。
結果、事議関連電位のP300は、言語刺激では、ドット刺激よりも振幅の増加が認められた。この傾向は3桁よりも8桁の方が顕著となった。また、トポグラフィ測定から、P300の頭皮上分布は、前頭葉を中心として分布していることが分かった。
一方、このP300の電位の大きさは被験者により差があった。電位の増加はワーキングメモリ容量の大きい被験者の場合に顕著であり、さらに、前頭部位に限局して増大する傾向が、トポグラフィの結果から認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Osaka et al.: "Individual differences of working memory on ERP" Hashimoto & Kakigi (eds. ) Recent Advances in Human Neurophysiology.675-681 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 苧阪 満里子: "ワーキングメモリと言語理解の脳内メカニズム" 心理学評論. 41. 174-193 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M.Osaka et al: "Individual differences of workingmemory on ERP" Hashimoto & Kakigi (eds.) , Recent Advances in Human Neurophysiology. 675-681 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] M.Osaka: "Brain mechanism of working memory and language comprehension" Japanes Psychological Review. 41. 174-193 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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