研究概要 |
随伴性の判断の正確さについて基礎的なデータを得ることに加えて、抑うつ水準ではなくオプティミズム特性による効果を調べる実験を行った。 【方法】 男女大学生28名は、あらかじめオプティミズム関連の質問紙(ASQ,LOT,BHS)に答えておいてもらい、実験室で随伴性判断課題に取り組んだ。 随伴性判断課題は、2種の刺激条件(ノイズ/得点獲得)と4種の随伴条件(25-25,25-75,75-25,75-75)を組み合わせた8条件であり、被験者はすべての条件に取り組んだ。 2秒間の予告刺激(黄色)に続いて、2秒間の結果刺激(緑/赤と、嫌悪/報酬刺激)が呈示され、2秒間の間隔があく離散スケジュールが60試行繰り返された。被験者は、できるだけノイズが鳴らないように、あるいは、できるだけ得点が獲得できるように、予告刺激が呈示されている2秒間にボタンを押すか押さないかの選択が求められた。 各条件の試行終了後、次の各尺度に評定した:(a)ボタン押しと結果との全体的な関係について(-100〜+100)、(b)ボタンを押した時に結果が出現した確率(0-100)、(c)ボタンを押さなかった時に結果が出現した確率(0-100)など。 【結果と考察】 ASQの負の永続的・全体的次元の合成得点(負の悲観的説明スタイル得点)に基づき、中央値で被験者を2群(Optimistic/Pessimistic)に分けた。反応時の結果の生起確率評定と無反応時の結果の生起確率評定の差をとり、ΔP得点とし、負の悲観的説明スタイルの群別に集計した。 その結果、嫌悪刺激を用いた75-75条件で、群間に有意差がみられた(P<.05)。また、得点刺激を用いた25-25条件でも有意傾向が示された(P<.10)。Optimistic群は、Pessimistic群に比べて、非随伴的条件下で随伴的バイアスを示すことが示唆された。
|