客観的に非随伴性の事象の経験が、後の反応ー結果随伴性事態における学習課題にどのような影響を及ぼすかを調べることを目的として実験を行った。 【方法】 はじめにオプティミズム尺度に評定した被験者は、その得点に基づき、オプティミズム群とペシミズム群に分けられた。また、実験群(先行処置を受ける)と統制群(先行処置を受けない)に分けられ、4群が形成された。 [先行処置] 実験群は、報酬刺激喪失条件の非随伴性課題(反応時の結果刺激出現確率50%、無反応時の結果刺激出現確率50%)に取り組んだ。 [テスト] 実験群と統制群は、ハンドシャトル・ノイズ逃避/回避課題を受けた。 【結果と考察】 実験の結果、先行処置を受けた群は、先行処置を受けない統制群に比べて、後の課題遂行が遅滞する傾向を示した。しかしながら、特に遂行遅滞を示したのは、ペシミズム群ではなくオプティミズム群であった。このことは、予測に反するものであった。しかしながら、先行処置の随伴性判断は、オプティミズム群に非随伴性の知覚がなされていたのに対して、ペシミスト群には負の随伴知覚がわずかになされており、このことが結果を左右した可能性もある。このことについてさらに分析を進めることにする。
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