平成9年度は仮想現実感を実現するためのコンピュータ・グラフィック・システム(これは現有設備であるシリコングラフィック社のコンピュータを使用する)の開発を継続して行った(研究分担者山田が主に担当する)。さらに、このシステムを使用して事後情報の実験で使用する刺激の作成した。ここで日常の購買行動を撮影し、事後情報の項目を複数選択し、事後情報の奥行きに関する情報(たとえば、当該人物の前もしくは後ろにある対象物である)を用意した。また背景情報についても実験要因に加えられるように操作した。さらに比較実験のために従来使用されているスライド提示による方法で使用するスライドをコンピュータよりデジタルフィルムレコーダ(現有機器)に転送して作成した。 被験者には作成された刺激を以下の条件で提示した。つまり、仮想現実条件では(VR)装置(オリンパス社製、メディアマスクmw601)によって提示した。実験にはさらに、スライド提示条件、ビデオ提示条件を用意した。コンピュータディスプレイ提示条件(この提示には処理速度の速いマッキントッシュ9500および大型の21インチディスプレイを使用する)の方は現在刺激作成中である。また、事誤情報が情動とどのように関わるのかの実験も追加し、ここでは情動的事件の後に事誤情報効果が大きいことを発見した。従来の強制再認課題では、この際その情報の起源に関するソースモニタリングテストも実施する。この実験の部分に関しては現在、新しいプロジェクター3台を同時に呈示できる装置を開発中である。
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