本年度は最終年度でもあるので、これまでの3年間の研究成果のまとめを行った。 具体的には、ものの起源についてのデータ処理とまとめ、認知発達モデル構築に向けてこれまでの認知のモデルをまとめを行った。ものの起源についてのデータ処理の結果、ものの派生についての結果では、人工物と動物については早くから理解されているが、植物や自然物については理解が遅いことが示された。ものの起源については人工物と動物については早くから理解されているが、植物や自然物については理解が遅いことが示された。ただ、幼児の反応の特徴がカテゴリでまとまって同じ反応が見られる事から、カテゴリあるいは領域により反応していると見られる。生きているか否かの判断は、動物カテゴリについては早くから認識されている事、また人工物についても早くから認識されている事、しかし自然物については鉱物のみが早くから認識されているが、草、水、カボチャについては十分に認識されているとは言い難いことが示された。以上のことから、幼児はものの派生、起源、生きているか否かの判断に対してカテゴリで反応していることが示されている。更に、カテゴの内、人工物と動物の理解が早いことが示された。これらの結果は、ものの派生、起源、生き物性に一貫してみられる結果であった。 次に、認知発達モデル構築に向けて、これまでの認知のモデルをまとめた。具体的には、制約やモデュールといった生得論のモデル、ネットワークモデルや情報モデルなどの連合説のモデル、コネクショニストのモデル、Piagetの認知発達モデルを基にした構成主義のモデルをまとめるとともに、発達初期の生物や物理の認知の特徴であるフレームワークモデルをモデル化する場合の、既成モデルの問題点について検討した。
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