1、 スクールカウンセラー活動の日米比較及びアメリカのスクールカウンセラー活動の導入 平成9年度に引き続き、上記の成果を、来日したアメリカのスクールカウンセラーと議論して検討し、日本独自のスクールカウンセラー活動のありかたを検討した。特に、学校における暴力の問題への対応について、個々人への介入というカウンセリング的アプローチの重要性が相互に指摘しあうことができた。また、主として、英文論文を活用して、アメリカのスクールカウンセリング活動を検討し、担任制度の存続が日本独自の活動を考える上で重要な観点であることを指摘した。 2、 児童生徒・生徒指導相談ファイルの活用による教師へのサポート・システムの検討 主として、不登校の生徒の個別ファイルを作成し、教師へのサポートのためのSC活動の今後の課題を観点に分類した。(1)個別或いは集団によるカウンセリングだけでなく、コンサルテーションやコーディネーション、ピア・カウンセリングなどの専門性の行使。(2)児童・生徒の発達の支援プログラムを用意し、多様な側面へと介入すること。(3)通常学級における個別的な配慮へのSCの関与。(4)授業における教育臨床的な観点の提示。(5)教師の職能発達における教育臨床的な側面への支援。(6)教師による「教育行為」とSCによる「心理行為」の相互の役割供応の明確化。
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