研究概要 |
多数の質問項目に対するカテゴリカルな反応からなるデータを,「因子分析」的な意味で探索的に分析するための方法を開発した。各カテゴリーに対して,主成分分析の結果としての説明力が最大になるように,複数次元の数値を割り当てるというのが一般的原理であり,この方法は従来の非計量的主成分分析と多重指標分析の中間に位置づけられる新しい方法である。主な成果は以下のようにまとめられる。 (1) 大標本の場合に適用できる交互最小2乗法のアルゴリズムの開発 (2) 負荷量行列を双方向から回転して単純構造を達成するためのオーソマックス法の拡張 (3) 従来から知られていた主成分分析と多重対応分析との結果の相違に関する,結び(join)と交わり(meet)の概念にもとづく説明 以上の成果にもとづいて,従来の「因子分析」の心理測定へのヒューリスティックな応用が正当化される道が開かれたと考えられる。
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