研究概要 |
多数の質問項目に対するカテゴリカルな反応からなるデータを,「因子分析」的な意味で探索的に分析するための方法を開発した。各カテゴリーに対して,主成分分析の説明力が最大になるように,複数次元の数値を割り当てるというのが一般的原理であり,これは従来の非計量的主成分分析と多重指標分析の中間に位置づけられる新しい方法である。主な成果は以下のようにまとめられる。 (1) 大標本の場合に適用できる交互最小2乗法のアルゴリズムを開発した。 (2) 負荷量行列を双方向から回転して単純構造を達成するために,オーソマックス法を拡張した。 (3) 従来から知られていた主成分分析と多重対応分析とで異なった結果が得られる原因を,Gifi(1990)の結び(join)と交わり(meet)の概念にもとづいて説明することに成功した。 以上の成果にもとづいて,「因子分析」の心理測定に対するヒューリスティック応用が,理論的に正当化される道が開かれたと考えられる。
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