研究課題/領域番号 |
09610122
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
兒玉 憲一 広島大学, 保健管理センター, 教授 (10186702)
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研究分担者 |
内野 悌司 広島大学, 保健管理センター, 助手 (00294603)
中丸 澄子 広島大学, 保健管理センター, 助手 (30034672)
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キーワード | 郊外型キャンパス / 学生の自殺 / 自殺防止活動 / コミュニティ心理学 / ピア・カウンセリング / ボランティア / サポートグループ |
研究概要 |
目的:継続研究2年目の平成10年度には、初年度に引き続き学生のピア・カウンセリング活動による自殺防止活動に関する研究を行った。 方法:全学部の学生からボランティアを募集し、電話相談員養成講座を行った上で、学生による学生のための電話相談(キャンパス・ウォーム・ライン)を実施した。相談員に対しては、養成講座に入る前、養成講座の各講義や実習演習の直後、電話相談の実施直後に、質問票による意識調査を行った。この調査結果をもとに、相談員の対人援助能力の向上度を評価し養成講座の教育プログラムの有効性と妥当性を検討した。なお、本年度は昨年度の研究結果をもとに、養成講座の講義や実習および電話相談の実施方法を一部修正した。 結果:相談員養成講座の参加者は計61名。男子21、女子40名と女子学生が圧倒的に多かった。講義は、1回2時間で計8回。実習は、1回4時間で計1回行った。電話相談は、3時間を3回行った。26名(男女各13名)の相談員の参加があった。なお、本年度も電話相談件数は3件のみであった。 考察:相談員養成講座については、女子学生の参加者が多いことから「セクシュアル・ハラスメント」「性被害相談」「セクシュアリティ」などの講義のテーマを選んだので、講義への満足度は高かった。ロールプレイング実習は日程の都合で十分な時間をとれず、一部の受講生の希望に応じて別枠で補講を行った.なお、本年度は、教職員にも参加を呼びかけ、学生課職員1名の参加を得た.相談電話については、1年生全員に電子メールで伝えるなど広報につとめたが、件数は増加しなかった。ただ、受講生のなかに相互援助的なサポート・グループが本年度も発生するなど一定の成果が認められた。来年度は、大学全体でピア・カウンセリング活動を行う計画もあり、その活動との関連で、本研究も電話相談に限らず、面接相談も含めた学生による相談活動および相談員の継続研修の方法(スーパービジョンなど)に関する研究を行う予定である.
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