研究課題/領域番号 |
09610146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 愛知みずほ大学 |
研究代表者 |
安念 保昌 愛知みずほ大学, 人間科学部, 助教授 (40183735)
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研究分担者 |
藤生 英行 筑波大学, 心理学系, 助教授 (40251003)
山根 一郎 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (50240065)
吉田 富士雄 筑波大学, 心理学系, 教授 (80182781)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 囚人のジレンマゲーム / 対人認知 / 自己認知 / いじめ(仲間はずれ) / 協調関係の発達 / gradual 戦略 |
研究概要 |
これまでの顔をつきあわせた村的社会が崩壊し、社会の無機質化に伴って学校などのいじめが表面化してきたと捉えるなら、そこに匿名的なネットワーク社会の枠組みを持ち込んだときにどの様なことが見いだされるだろうか。この研究では、幼稚園から、大学生までのいくつかの発達段階において、コンピュータネットワーク上で匿名のもとでの囚人のジレンマゲームに参加してもらい、協調性の発達過程、ゲームを通しての対人自己認知の発達的変化について調べた。 その結果、協調を選択した回数において、戦略X年齢X仲間外れになり易さの3次の交互作用に有意傾向があり、幼稚園児のこれまでに仲間外れにされていない子だけが、裏切り会いにはまりやすい戦略(gradual)に対して多く協調していることがわかった。 また、裏切られた後でもなお協調する割合をとってみると、戦賂X年齢X仲間外れしやすさの間に5%水準の交互作用が認められ、6歳児のrandom戦略に対する場合と20歳のgradual戦略に対する場合においてのみ、仲間外れをあまりしない群の方がしやすい群よりも多い割合で協調していることが分かった。また、ranとgraの間に差が出たのは、6歳児の仲間外れにしない群だけであった。発達のそれぞれの段階で、相手に協調されたり裏切られたりすることに対して、仲間はずれのしやすさ、されやすさという付き合いかたに関わる多様な受け止め方があり、PDの協調‐裏切り回数に、発達的要因を巻き込んだ複雑な影響を持ったと考えられる。 本来、仲間外れのしやすさというのは、協調されても、裏切る傾向を意味しており、ゲームを通しての対人認知の発達過程で、協調されたり、裏切られたりすることへの受けとめ方に様々な違いが見られるはずであり、今後更に、詳細に実験分析される必要がある。
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