大学生ドライバー被験者7名に、平成9年度の予備実験をもとに設定した本実験コース(約20km;約30分走行)において、コメンタリー・ドライビングを3セッション行わせた。約1ケ月後、30年間無事故無違反のベテランドライバーの本実験コースにおけるコメンタリー・ドライビングのビデオ(約30分)を提示し、安全運転のための心の働かせ方を説明し、再度コメンタリー・ドライビングを3セッション行わせた。さらに、セッション間の休憩時間(30分)を利用して、前セッションにおける不適切なコメントや見落としているコメント等の指摘を行い、次のセッションで注意するよう指導した。 実験後、被験者のコメントを道路状況とともに書き起こし、予備実験をもとに分類した12分類に、コメントを分類し、コメント数の前後比較を分散分析した。 その結果、総コメント数、信号に対するコメント数、信号の変化の予測についてのコメント数、安全確認についてのコメント数、危険予測・予知についてのコメント数、停車中の車についてのコメント数、他者とのノンバーバル・コミュニケーションについてのコメント数、自車の動きについてのコメント数が有意に増加し、安全運転のための心の働かせ方に大きな向上が見られ、コメンタリー・ドライビング法の運転者教育効果が実証できたと結論づけることができる。
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