目的:本年度の実験ではインターネットを用いたテレビ電話システムによる遠隔教育を実施し、学生の意識調査を行い利用の可能性があるか否かの検討を行った。 方法:対象:広島電機大学2年生で情報処理応用演習を履修する情報工学科の学生52名を対象とした。 手続き:前期講義では、HTML言語を学び課題として自分のホームページを作成した。さらに2番目の課題としてインターネットによる情報収集によるグループ発表をホームページで行った。後期講義の内容はHTML言語の応用である。遠隔講義の実施は後期講義の一部として実施した。1回目は、1997年11月7日の午前9時30分から10時までの30分に安田女子大学と接続して実施した。内容なネットワークの情報倫理としてネチケットについての講義を行った。講義方法はカメラの前で資料を提示しながら実施した。利用ソフトはNet Meeting(マイクロソフト社製)であった。広島電機大学の専用線接続速度は512Kであり、安田女子大学の速度は256Kであった。過去の本学のアクセス統計から、午前のインターネットの利用頻度は少なかったが、学内のみ実験を実施するとのアナウンスを行った。実施の後、遠隔教育に関する感想や意識についてのアンケート調査を実施した。 2回目1997年12月14日午前9時30分から10時までの30分に安田女子大学と接続して実施した。内容は1回目の実施で音声の聞こえにくかった部分の復習を実施した。方法としては、資料を提示しないで、カメラの前で講義を行った。利用ソフトはCU-See Meであった。講義の後、1回目と同様のアンケート調査を実施した。 結果:質問項目で遠隔講義に抵抗があるかについては48%がそう思わないと回答している。また遠隔講義に興味があると思うのも46%であった。半期の講義すべてを遠隔講義でよいことには思わないが46%という結果であった。さらに遠隔講義は無味乾燥であるの項目はやや思わないが46%であった。以上のことから、学生は遠隔講義には興味をもち、半期のうち数回であれば遠隔講義を実施してもよいという考えをもっていることが認められた。今後の課題は、講義に絶えられる画面と音声をいかにして確保するかと、実施する講義の方法を確立していくことであると思われた。
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