本研究は、日本語話者がアメリカ英語(米語)環境に長期間曝されることにより、その第1言語・第2言語能力がどう変容するか、渡航前から、渡航中、そして帰国後も追跡し調査分析するものである。家族単位で調査を行い、幼児から大人にわたる幅広い年齢層の被験者を得、年齢効果(age effects)を明らかにする。今年度は計画の2年目であり、昨年度からの追跡調査を継続している。 1) 研究の全体計画の修正 本研究は、日本国内の実験・調査を日本側(メディア教育開発センター山田恒夫、ATR人間情報通信研究所山田玲子)、米国内の実験・調査をアメリカ側(アラバマ大学Flege教授)が担当する。3者で協議をおこない、調査研究遂行中生じた問題点を解決した。被験者家族の米国内転居が大きな問題であった。 2) 調査テストの実施 実験・調査内容は、A)日本語・英語音韻に関する音声知覚実験、B)日本語・英語に関する発音実験、C)言語能力一般に関わる標準化テストなどである。A)およびB)については、アメリカ側により1998年初秋に1回目の調査を実施、C)については、日本側からの郵送により1999年初春に2回目の調査を実施中である。 追跡調査が継続中であるため調査内容についての研究発表は実施していないが、その背景となった考え方、および調査方法(コンピュータソフトの開発を含む)については、成果を公表した。
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