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1998 年度 実績報告書

農村文化の変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610163
研究機関岐阜大学

研究代表者

白樫 久  岐阜大学, 地域科学部, 教授 (80003193)

キーワード文化 / 農村文化 / 民俗文化 / 鈴木栄太郎研究 / むらの精神
研究概要

今年度は、昨年の予備調査と資料収集に基ずき、北海道網走郡女満別町と高知県幡多郡十和村について本調査を実施し、さらに補足的に岐阜県郡上八幡町、同揖斐川町、北海道美幌町、高知県檮原町の資料収集を実施した。農村文化変容についての具体的分析は、本調査を実施した女満別町と十和村を中心に分析を行った。その結果、高知県の山村には、過疎と社会解体が進む中で民俗芸能がわずかに残り、北海道農村では農業の再編過程のなかで自治体の主導で音楽等、新しい文化が少しずつ広がっていることが明らかとなった。同じ日本農村とはいえ、その地域の歴史と属性、環境に規定されて、限定された文化の領域について異なる「文化圏」、つまり今日においても「伝統・民俗文化構造地域」と「新文化構造地域」とが存在することが明らかとなった。その相違は地域の歴史とその地域の自治体の文化行政に大きく規定されている。この結果は、北海道と高知県の山村という二つの典型的地域にあらわれたものであるが、現在の日本の農村の芸術文化、あるいは芸能文化の遷移の過程を示しているものである。この点が実証されたことが、二年間の調査・研究の一番の成果であった。同時に、この調査と研究を通して、文化の社会的統合性、あるいは共通性という社会文化の視点からの文化研究の必要性を改めて感じている。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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