研究課題/領域番号 |
09610166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中島 信博 東北大学, 教育学部, 教授 (80005826)
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研究分担者 |
小林 一穂 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20150253)
細谷 昴 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10005754)
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キーワード | ル-ラル・ツーリズム / グリーン・ツーリズム / 観光 / 民宿 / 農村 / スキー場 / 農地 / リゾート開発 |
研究概要 |
本研究は、中山間地域や過疎地域の活性化に関連して、近年特に注目を集めているル-ラル・ツーリズムを対象としてとりあげている。いうまでもなく激しい変動期を迎えている農山漁村の現状を捉え、そこでの観光事業やリゾート開発などの実態を精確に把握することを目標としている。 調査を実施するににあたり対象地を2か所設定している。その一つは、以前からフィールド・ワークを行ってきた岩手県の安代町細野地区である。奥羽山系の山壊に造られた安比高原スキー場がスタートして17年が経過しており、その間の農村の変化を、主に聞き取り調査により把握することに努めた。そこでは、全体的に不況感を繁栄して、新規投資が控えられており、また農家も民宿経営をはじめとする新規事業の展開には慎重になっている。しかし、そのような状況にあっても、夏場の誘客をめざして幾つかの試みがなされており、そうした自助努力が注目される。 他方の調査対象地である沖縄県(石垣市)では、東北における不況感とは裏腹に、好況感に支えられたホテル建設などの事業展開がみられる。調査では石垣島北部の明石集落を事例として選定し、リゾート開発や民宿経営との関連で、近年の特徴を把握することに努めている。当該集落は戦後の開拓入植によって、昭和30年に設立された新しい村である。本土復帰当時にかなり大がかりな土地買い占めを経験し、しかもその半分の土地を買い戻すという興味深い歴史を歩んできた。そこの指導層や青年層は、巨大な資本による観光開発を排して、農業と共生できるツーリズムを模索中である。 以上のようにして、国内の農村でも、東北と南方で興味深い対比が見られる。観光事業への姿勢を軸と、次年度はさらに比較研究を継続する予定である。
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