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1997 年度 実績報告書

生活社会の構造論理-波照間島の消費構造-

研究課題

研究課題/領域番号 09610175
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛知教育大学

研究代表者

佐古井 貞行  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (40205828)

キーワード予備調査 / 次年度への着眼点 / サトウキビの商業生産 / 島内結婚 / 身分階層制はない / 差違の原理が弱い / 消費社会研究のフイールドとして注目できる / 共同売店
研究概要

今年度は予備調査を主眼としたもので、その内容と次年度への着眼点を指摘する。端っこのサンゴの島を意味する波照間島は、サンゴをのせた琉球石炭岩で出来て いる。川のない島で農業用水を今も天水に依存し、昭和36年から38年にかけて小麦・粟・米といった主食作物の栽培はサトウキビの商業生産にかわった。昭和38年に波照間製糖株式会社が出来て生産を開始し、現在製糖が波照間の経済を支配している。
気候は明確な季節の移り変わりのない亜熱帯モンスーン気候で、年平均気温は23.4℃である。人口は平成9年8月末で234世帯575人である。昭和47年以降は返還により、大阪、名古屋、東京に住むものが多くなっている。村落は5つの集落よりなり、たかだか100年間に様々な事情で移動、居住地替え、再編が起って、全て島の中央部に集中している。
結婚は島内、とりわけ同村(同集落)での結婚がこれまで多く、絶え間なく続く近親結婚は村全体を極めて密着した親戚のネットワークを生み出している。そのため夫も妻も血がつながっているとみられることがかなりあり、家系や直系に対する意識は弱く、それゆえ波照間島においては身分階層制の原理は働かず、個人の資質ないし業績を加えた原理が働いて、役職等は個人の努力によって獲得されたもので、個人の差違の主張に消費が手段化されている今日の消費社会研究のフイールドとして注目すべき点がみられる。
とくに面白いのはそれぞれの集落が集落単位に共同売店を持っていることである。いずれも戦後開設されたが、どの共同店も世帯出資によって設立されたものであり、集落の直接経営で組合規約に基づく運営がなされている。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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