研究課題/領域番号 |
09610176
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
久慈 利武 三重大学, 人文学部, 教授 (40024484)
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研究分担者 |
江成 幸 三重大学, 人文学部, 助教授 (20269682)
村上 直樹 三重大学, 人文学部, 助教授 (70219898)
児玉 克哉 三重大学, 人文学部, 助教授 (50225455)
加藤 隆浩 三重大学, 人文学部, 教授 (50185849)
石井 眞夫 三重大学, 人文学部, 教授 (20136576)
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キーワード | 外国人労働者 / 日系ブラジル人 / 日系ペルー人 / 外国人支援団体 / 自治体 / 分離 / 統合 / コミュニティ |
研究概要 |
主として次の2つの方法で調査を進めてきた。 まず第一に、日系ブラジル人などの外国人労働者への面接調査である。外国人労働者がよく利用するブラジル料理レストラン等へ行き、外国人労働者の日本社会への適応についての情報を得た。 次に、外国人労働者の日本社会への適応に重要な働きをすると考えられる民間団体への面接調査である。三重県では様々な団体が活動を続けており、それらの活動状況を直接的に調査し、中心的役割を担っている人から問題点や課題などを聞く作業を行った。 外国人労働者受け入れの成熟度を地域ごとに分析する手法は、調査当初はそれほど重要と考えなかったが、極めて有効な分析方法と考えられ、外国人労働者、彼等の支援団体、地域住民、自治体の4つのアクターすべてにおいて、時間の経過とともにどのような変化が起こってきたか、起こりつつあるかを視点として調査をした。地域によって、時間の経過とともに、外国人労働者の受け入れ態勢、及び、それに伴う関係の変化が大きいことがわかった。 支援団体の活動の質が、日系人が日本社会においてsegregation(分離)へ向かうかintegration(統合)へ向かうかの大きな要因となることがわかった。日系人が流入してすぐには、「交流」が重要で、日系人にとっても支援団体から得られる「情報」は有益なものであった。しかし、時間が経ち日系人コミュニティも熟してくるにつれ、「交流」は主に日系人同士の中で行われ、「情報」も既在の日系人から得れるようになった。支援団体が、単に「交流」だけでなく、日系人もコミュニティの一員として街づくりの「協働」を目指すことが、分離ではなく統合へと向かう道であることがわかった。 また、多くの自治体で第三セクターを通しての財政支援など新たな試みがなされてきていることがわかった。こうした第三セクターと民間支援団体とのタイアップも見られ、今後の支援スタイルとして注目された。
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