平成10年度の研究計画は、(1)学級コミュニケーションプログラムの作成、(2)長崎県内の小学校教諭1000人を対象としたアンケート調査の実施、さらに(3)小学校2校を選定した学級コミュニケーションの実態調査の実施であった。 (1)については、“Foundations of Democracy"“HOPE AT LAST"“Human Relations Development"などアメリカにおけるプログラム性の高い資料を収集し、それらの詳細な分析を行った。また、とくに“Foundations of Democracy"のJusticeとResponsibilityを利用し、実際的な子どもたちの「けんか」に対する価値観の異なる2種類の指導プログラム(しつけ型と市民的訓練型)などを作成中である。 (2)については、長崎市内の小学校教諭全員(985人)に対してアンケート調査を実施した。内容は、学級目標(教師の学級にたいする目的意識性)、「けんか」への対応、「ほめ方・叱り方」などが中心であり、現在分析中である。また、これと並行して、昨年度同様、教育実習生にたいする「ほめ方・叱り方」の体験アンケート調査を実施した。 (3)については、前年度に続き離島の小学校4校において聞き取り調査を実施したが、分析してみると、この調査方法には限界があり学級コミュニケーションの表面しか把握できていないと思われる。現在、教師のモニターを募り共同して学級調査を行う方法や小学校を限定し年間を通じた調査方法など来年度に向け検討している。 なお、これまでの研究成果を、「『ほめ方・叱り方』と学級コミュニケーション」として公表した。
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