平成9年度および平成10年度は首都圏のI大学病院における看護士へのインタビュー調査およびK病院における看護婦への面接調査、地方都市でS病院における看護婦並びに看護士へのインタビュー調査、M公立病院とS国立病院で計200名の質問票調査をおこない、平成11年度および平成12年度は質問票調査についての集計、分析をおこなったものである。平成12年度はさらに集計分析をすすめ、これらの結果について報告書にまとめた。 分析結果の概要 (1)社会的評価が高い、あるいはやり甲斐のある仕事であるという理由で看護職を選んでいるが、その年収はそれほど高くなく、また結婚を機に退職した後の再就職が難しいという状況はこれからの看護職のありようにとっての課題を提供するものである。 (2)男性看護士の面接調査の結果について、録音されたものをトランスクリプトし、言説分析をおこなった。その場合、まず、男性看護士と女性看護婦との差異、および関係についてジェンダーの次元について、言及していると思われる面接の成功例を、典型的な事例とみなし、それについて、どのようなアーギュメントが見出されるか、分析した。とりわけ、女牲が多数派を占める看護職において、なお男性の優位というテーマがみいだされた点に留意し、考察をこころみた。
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