衛星ディジタル放送の開始で、本格的な多メディア化・多チャンネル化が始まったテレビ放送では、利用者は従来の公共重視の規制市場とは異なり、自分の要望にフィットするメディアへの移行・選択をし、視聴者特性に応じたテレビ放送メディアの住み分け領域が形成されて行く。この様な視聴者の移行のメディア選択メカニズムを、移行プロセスと「利用と満足」評価の視点から解明するために、これらの2つの目的を含む調査を実施した。 1.家庭での新たな放送メディアの導入のプロセスの調査 地上波から他の放送メディアへの移行、または他の放送メディアからそれ以外の放送メディアへの移行、移行検討のメディアの認知のルート、移行の目的・理由、世帯構成、家族の意見分布、意思決定過程、世帯の放送に関する立地環境を調査した。 2.放送メディアの利用と満足の調査 放送メディアの利用と満足、全般的な満足度と推薦度、満足度と推薦度を左右する要因等を調査した。 調査サンプルは移行の対象となるメディアが共存している地域として、多チャンネルCATVのエリアを対象域とし、CATV加入世帯400サンプルと非加入世帯400サンプルで実施している。メディア移行は進行しつつあり、最新データを入手するために年度末に調査を行っており、分析は次年度の課題となっている。
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