昨年度に茅ヶ崎市内のケーブルテレビ「テレビちがさき」の営業地域で、ケーブルテレビへの加入世帯と非加入世帯のテレビメディア選択と利用の実態の調査を行ったが、今年度はそのデータ解析と米国の関連研究のサーベイ、それに研究のまとめ、報告書の作成を行った。主な結論は次ぎの点である。 (1)テレビメディアの選択に関する米国の研究は不十分で、方法論上に問題があることが分かった。その点では、この領域の研究成果は未熟である。 (2)地上波放送やBS放送などからケーブルテレビへ移行する場合、その移行の比率は、前の放送メディアの種類には依存しないことが分かった。どのメディアからも一定程度の比率で移行が起こっている。 (3)ケーブルテレビへの移行を左右する要因としては、環境テレビ指向、映像向上指向、コスト感、テレビ協調性の4つが抽出された。この4つで90%近くの確率で、加入者と非加入者の判別が可能となることが分かった。 (4)今後は、この要因の他地域での実証と、より包括的なモデル化の追求が課題となる。
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