研究課題/領域番号 |
09610204
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
木村 真理子 東海大学, 健康科学部, 助教授 (00266462)
|
研究分担者 |
宮田 知賀子 東海大学, 健康科学部, 助手 (00287054)
石河 久美子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (30298559)
|
キーワード | 異文化ソーシャルワーク / 国際社会福祉 / クロスカルチュラルソーシャルワーク / 文化的繊細さ |
研究概要 |
98年度の研究目標は、1)異文化対応のサービスを展開している医療、精神医療場面でのソーシャルワークの特色の抽出、2)NGOで異文化対応のサービスを展開している場合のミクロとセミマクロの支援の特色の抽出(フィリピンおよびラテン系の人々、および女性に対する支援)および3)コミュニティでの異文化対応の活動(日本語を媒介とした地域教育)における特色の把握に置いた。また、ハワイ大学およびホノルル地区の異文化対応のソーシャルサービス機関(難民、先住民、および移住者)でのレビューより、異文化対応のサービス組織および援助技術やスタッフの訓練背景などの特色を抽出した。 1)の場面では、コミュニケーションにおける工夫を心がけている医療ショーシャルワーカーの例があげられ、動作や言語を異文化の人にいかにわかりやすく伝達するかに文化的配慮の工夫が見られた。2)NGOにおけるサービスは、特にソーシャルワーカーによって提供されるとは限らないが、社会サービスの利用に関する情報提供や処遇は日本人に対するものと同じとの回答が得られた。一方、コミュニケーションに関しては、言語以外の文化(恥の意識、公然とは話さないことがらだが、援助者にくみ取ってもらいたいとクライエントが期待していること)などをくみ取るための相手の文化や歴史に精通する学習は支援の上で有益である。長期滞在でクライエントが日本への同化が進んでいる場合、相手の文化への配慮や対応も変化する。異文化クライエントの支援技術を習得するために、現場の訓練とスーパービジョンを受けながら仕事を行っている。NGOのスタッフは、現在行政スタッフに対して、啓蒙や異文化のクライエント・支援の技術を提供して教育する役割を担っている。インタビューで情報を収集した場面の種類が多様であり、まとめることが難しいが、ソーシャルワーカーが働いている場とそうでない場があっても、用いる技術には共通性が見られた。
|