研究課題/領域番号 |
09610205
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
広瀬 英彦 東洋大学, 社会学部, 教授 (50058004)
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研究分担者 |
阿部 照男 東洋大学, 経済学部, 教授 (80058057)
量 義治 東洋大学, 文学部, 教授 (70040475)
佐藤 章 東洋大学, 工学部, 教授 (60170718)
疋田 聰 東洋大学, 経営学部, 教授 (50147584)
盛岡 一夫 東洋大学, 法学部, 教授 (30058078)
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キーワード | 高度情報化社会 / 情報倫理 / インターネット / コンピューター / 広告倫理 / 電子商取引 / 情報哲学 / 他者危害 |
研究概要 |
本研究は哲学・倫理学、法学、経済学、経営学、社会学、工学を専攻領域とする研究者10名による2年計画の学際的な共同研究である。その特色を生かして、メンバーが共通の問題意識を深めながら、それぞれの専攻領域から「情報倫理」の課題にせまることに努めた。それにより得られた主要知見は以下のとおりである。 1. 今日の情報化は、新しい匿名的、多元的なコミュニケーション環境を実現したインターネットに象徴される。現代の情報倫理は、このシステムの利用者として心得るべきルール等を中心に検討する必要がある。 2. インターネット時代の企業・経済活動を象徴する電子商取引には、大きな利便とともに、コンピューター犯罪ほか、さまざまな障害もある。これらの問題点を克服する倫理の構築が求められている。 3. 重要な企業活動の手段である広告の倫理は従来、誰が、どのように、という視点から問題とされてきた。インターネット時代の広告倫理は、何をいうか、の観点からの究明が主要な課題となる。 4. インターネット時代においては、コンピューターと法律の関係をベースにして、情報倫理の問題を検討する必要がある。コンピューター・プログラムは著作権法によって保護されているが、侵害訴訟において類似性を立証することに困難な問題があり、その点の究明が必要とされる。 5. コンピューターの浸透により、このシステムに独特の犯罪など、新たな社会逸脱的行為が登場してきた。こうした行為に対する倫理基準の構築が大きな課題である。 6. 情報倫理の基礎には「情報の哲学」というべきものがある。この「情報の哲学」の省察を欠いていることが、今日の情報倫理の大きな問題である。インターネット時代の情報倫理は、「他者危害[排除]の原則」を基本とし、自制の権利に基づく自己決定に委ねることが、個人と社会の最大の功利に結びつく。
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