研究課題/領域番号 |
09610206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
宇都宮 京子 東洋大学, 社会学部, 講師 (90266990)
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研究分担者 |
稲木 哲郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (90011361)
竹内 郁郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (10013038)
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キーワード | 合理性 / 呪術 / 学歴 / 非合理的 / 非科学的 / 職種 / 風習 / 信仰 |
研究概要 |
1.12月中旬までは、それぞれの研究者が分担して、購入した民俗学、宗教学、社会心理学、哲学の領域の書籍を検討し、その結果を報告し合った。それぞれの報告の中心テーマは、宇都宮京子「合理性とは何か〜社会学・文化人類学・哲学の立場から〜」、竹内郁郎「個人的行動と集合的行動」、稲木哲郎「合理性、非合理性をどう捉えるか〜社会心理学の立場から〜」というものであった。ここで確認されたことは、まず、未開の人々、現代人を問わず、自分たちが持っている科学的な知識や技術が及び得る範囲においては、人々は科学的に、あるいは合理的に行為を行うが、自分たちの知識や力の及ばない状況や対象に遭遇した場合には、祈るなど、宗教的、呪術的傾向のある行為を行うということであった。また、本研究においては、「ある集合体の一員であることによって、どのような傾向の考え方や行為の特性を身につけやすいか」という視点が欠かせないが、学歴、職種に焦点をあてて、調査を進め、地域性には今回は注目しないことも確認された。 2.12月下旬〜2月上旬は、書籍では十分に得られない情報収集と来年度の調査方針を決定するために必要な簡単なアンケート予備調査やヒアリングのために、沖縄、四国、遠野、京都等に出張に行った。その結果として、現代日本においては、ある見地からは非合理的あるいは非科学的と判断されるような風習や信仰に基づいた諸行為や見解が、今も受け継がれ、実行されたり信じられていることが見て取れた。遠野における簡単なアンケート予備調査においては、『遠野物語』の中に出てくる、たとえば、死期の迫った人の霊が知人のところを訪れるというような不思議な話を、「あり得るかも知れない」と回答した人の数が多かった(回答者29名中23名)ことが興味を惹いた。
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