平成9年度では、地上波放送・衛星放送(BS・CS)・CATVの放送事業者に対する聞き取り調査、放送番組の内容分析を行った。これをふまえて、平成10年度では視聴者のテレビ視聴実態と情報ニーズを把握するため、「地上波放送」視聴者、「衛星放送」視聴者、「CATV」視聴者が居住する東京都渋谷区と目黒区において「情報メディア接触と情報行動と題して質問紙票による個別直接面接調査(サンプル数645、有効サンプル338、有効票率52.4%)を行った。その分析結果のなかで、放送メディア接触に関する主なものは、次のとおりである。 (1)地上波放送の視聴者は、ニュースや各種の情報関係の番組を視聴している割合が高く、ついでスポーツ番組や娯楽番組を視聴している。 (2)衛星放送の多チャンネル視聴者は、多チャンネル放送番組のスポーツ番組や娯楽番組などの専門番組を視聴する割合が高い。 (3)地上波放送の多くの視聴者は現状のテレビ番組について「見たい番組が少ない」「同種類の番組が多い」「低俗番組が多い」という不満を感じていることが多い。このような不満をいだいている視聴者は、将来「見たい」番組を求めて、多チャンネル放送に志向していくと予測できる。
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