・研究会(地域アイデンティティ研究会)を組織し、地域社会における日常生活を成立させたり、あるいは崩壊した日常性をいち早く回復、再生させているある種普遍的かつ集合的なメカニズム(「地域アイデンティティ」)を定式化するための理論的検討を重ねた。 その結果、日常性回復、再生のダイナミズムの中では、「経験」を記号体系によって客観化、反復すること(間主観的沈澱化)の重要性が明らかとなり、さらに地域アイデンティティが時間性と社会性の中で「集合的記憶」(La Memoire Collective)を未来に向かって引きだしていこうとする役割を担っていることが知れた。 ・「間主観的沈澱化」および「集合的記憶」を具体的なデータの中で関係づけるため、インタヴュー的手法を中心としながら、質的調査と量的調査の接合をはかるための調査手法の開発を試みた。 その結果、インタヴューの全記録をデータベース化し、検索条件を重層化することによつてそれを読み解くことで得られた知見と、質問紙法による統計的データを解析することで得られた知見を抱きあわせることによって、集合的な意識(ここでは地域アイデンティティ)を数量化するための目処がたった。 ・数回にわたる予備的調査を経て、兵庫県津名郡北淡町富島地区および育波地区で訪問面接調査を実施した。その際、上記調査手法を適用した。結果については現在解析中である。 ・兵庫県津奈郡北淡町における、防災、地域開発にかかわるメディア環境の整備状況や問題点を整理した。
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