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1998 年度 実績報告書

都市における地域シンボル性の付与とその変化についての実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610212
研究機関創価大学

研究代表者

森 幸雄  創価大学, 文学部, 助教授 (00191007)

キーワード都市 / 地域シンボル / 観光 / 異人伝説 / 護国神社
研究概要

4年間の研究の2年目にあたる本年度は、東京・横浜・大阪・神戸・京都・金沢・仙台などで実地調査をおこなうとともに、文献・資料の収集・整理をおこなった。今年度の研究で興味深かったものは以下の3点である。
1つは、各地に残る「異人」伝説である。仙台の「仙台四郎」や横浜の「メリーさん」あるいは金沢の「ハッタロウ」などは、当該都市ではよく知られているが、他では知られていないある種の「異人」の存在である。都市のある時代を示すものとして、そうした人びとが都市伝説として形が整えられていく過程に、都市の特徴が現れており、都市のシンボル性を考えるうえでも興味深い。
2つには、京都の嵯峨野地域の住民がおこなってきた、観光地「嵯峨野」の名称を地域から外そうとする動きである。外部からの観光客による「観光公害」を避けようとして、著名な観光地の名称である「嵯峨野」を避けようとするものである。外部から付与される地域のシンボル性と当該地区の住民との軋轢を示すものとして注目でき、他地域でも同様のものを見つけだしていきたい。
3つには、各都市の中心部にある施設や記念物、とりわけ、戦前の価値体系では重要な意味をもちながら、戦後の価値体系では重要性を失った施設や記念物の存在が興味深い。特に注目するのは護国神社である。戦前に国家の価値体系の可視的な象徴として整備された護国神社が、戦後も維持され続けている状況である。ただし、その状況には地域差があり、各都市のもつ地域性との関連も注目される。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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