[I 教育実習に関連した内外文献資料の収集] 1 国内既刊の教育実習関連図書の収集 2 各大学が実習生用教材として発行している『教育実習の手引き』等の関係文献集 3 米・英・独を中心とする各国教師教育・教育実習関連文献の収集を実施した。 [II アンケート調査の実施] 4年生「課程認定大学」434校全部を対象に教育実習に関する質問紙調査を実施した。平成10年3月10日現在、275大学より回答を得た。回収率は63.4%である。内訳は、国立大学85.9%、公立大学66.7%、私立大学57.6%である。 [III 聞き取り調査の実施] 70人の現職教員を対象に「自己の教育実習経験」の聞き取り調査を実施した。 [IV 現地調査調査の実施] 上記質問紙調査内容の分析から、教育実習に対して特徴的な取り組みをしている信州大学、宮城教育大学、岡山大学、秋田大学等に赴いての実態調査と『研究紀要』、『教育実践研究指導センター紀要』などの収集作業を実施した。 [V 現在の状況] 上記の収集した多数の各種文献については、現在鋭意分析中であり、一部はすでに公表段階に達している部分もある。 [VI 現段階での研究成果] Max WEBER の「理念型(Ideal typus)」の考え方を援用しつつ、独自に「教育実習に関する類型学的考察に基づく理念型諸類型」についての理論構築を行った。それは、具体的に、(1)免許要件的、(2)体験学習的、(3)実地練習的、(4)精神形成的、(5)実践研究的教育実習観の5類型の設定である。 [VII 来年度の課題] 上記の「理念型的5類型」理論をベースとして、現実に実施されているわが国教育実習の特殊性ならびに問題点を客観的且実証的に析出するとともに、諸外国のそれとの比較検討をおこない、もって教育実習学の学的構築作業の進捗を図りたい。
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