研究課題/領域番号 |
09610240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 学 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70135424)
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研究分担者 |
秋田 喜代美 立教大学, 文学部, 助教授 (00242107)
レヴィ・A クロード 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80284123)
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50236931)
志水 宏吉 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40196514)
近藤 邦夫 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40095790)
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キーワード | 学校 / 教師 / 教師文化 / 学校文化の比較研究 / 日本の教育文化 / 教師組織 / 学校経営 / 学校の社会学 |
研究概要 |
本年度の研究は、1)学校文化の国際比較に関する内外の研究成果を批判的に検討し、2)研究分担者の各課題に即したフィールドワークを調査対象として設定した各学校で推進し、3)その研究成果を日本とアメリカの学会と大学において発表し、4)来年度予定しているフランスにおける研究成果の公表に向けて論文の作成と翻訳の作業を進めてきた。(研究成果の一部は、アメリカにおいても公刊される予定である。) これまでの調査と研究によって、わが国の学校における教師組織は、欧米諸国と比べて、複雑な組織と重層的な人間関係を特徴としており、個人の意志決定と責任の境界が曖昧に連続しており、この組織の特徴が、教師の直面するディレンマを複雑にし、日本特有の教師文化を構成していることが明らかとなっている。さらに、日本の教師文化の特徴として、これまでは「集団主義」「協同経営」「人間関係の全体性」というステレオタイプで語られてきたが、現実には、職域の細分化、協同経営のもとでの孤立、学校内部の権限と権利の分散と分立という特徴を持っている点も調査を通じて明らかになりつつある。現在、これらの特徴が、個人としての教師においてどのように体験されているのか、また、そこで直面するディレンマを教師はどう解決しているのかについて、より集約的な調査を通して解明しつつあり、それと並行して、学校内部において専門家としての連帯(同僚性)と自律性がどう形成され、何によって制約されているのかについての探究も推進しつつある。
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