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1997 年度 実績報告書

「日本的」学級システムの成立に関する研究-教育評価史の視点から-

研究課題

研究課題/領域番号 09610258
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

山根 俊喜  鳥取大学, 教育学部, 助教授 (70240067)

キーワード学級 / 等級制 / 試験 / 訓育の評価 / 教育評価 / 学級制度 / 進級制度
研究概要

藩校・私塾および明治前期小学校における等級制と、そこにおける訓育・管理評価の実態について、資料の蒐集とその検討を行った。試験制度と結びついた藩校における等級制は、明らかに知的な内容の習得の度合いによってグル-ピングする能力主義的な制度だが、他方で、「勤惰」等の評価や年齢を考慮した評価をを加味していたこと、明治前期の小学校における等級制についても、制度としては、学力の程度によりグル-ピングし、厳格な試験により進級させるものではあったが、他方で、(1)いわゆる「合級制」が常態化しており、実態としては一教師の担当する生徒は学力異質の生徒グループであった、(2)学力以外の評価がかなり頻繁に行われ、進級に際してもこれを加味していたことを明らかにした。(2)の学力以外の評価とは具体的には、学制期に於いては、「日課優劣表」、教育令期においては「勤惰行状表」、「行状簿」「性質品評表」などと呼ばれる学校帳票類に記される、学習態度を含む日々の日常的学業評価、行状、品行、出欠など訓育・管理面での評価である。
明治後期に成立する、年齢を基準としたグル-ピングと「自動進級制」を特徴とする日本の学級制度は、学校教育の中心的機能を徳育に置くものと考えられる。従来あまり重視されてこなかったが、等級制から学級制度への移行の背後には、明治前期およびそれ以前の試験制度に支えられた等級制内部における、訓育・管理の評価実態に現れた訓育・管理重視の動向が存在するものと考えらる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山根俊喜: "「通知表」の起源について-明治前期の日常的成績評価及び行状・品行評価と家庭通信-" 鳥取大学教育学部研究報告(教育科学). 39・1. 167-186 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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