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1997 年度 実績報告書

未公刊資料の解説によるナチズム期ゲッチンゲン教育学派の政治的教育学的立場の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610261
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

坂越 正樹  広島大学, 教育学部, 助教授 (80144781)

キーワードノール / ヴェーニガ- / ゲッチンゲン教育学派 / ナチズム
研究概要

ナチズム期ゲッチンゲン教育学派の政治的教育学的立場について、学派の創設者ヘルマン・ノール及びその後継者エ-リッヒ・ヴェーニガ-を中心に考察を行った。その結果、ナチズムによって圧迫を受けた自由民主主義的な精神科学的教育学者ノールという、戦後ドイツ教育学における捉え方は、必ずしも妥当しないことが明らかになった。ノールの教育学は当初から第一次世界大戦によるドイツ国民の社会的政治的疲弊状況を教育によって救済しようとする意図を持っており、そのために「民族共同体」の再生というナチズムと親和可能性を有した目標を志向していたのである。ノール教育学における理念としての「民族共同体」とナチス体制のもとで現実化されたそれとは、当然、内実を異にするものではあったが、ノールの教育学的言辞がワイマル期教育学とナチズム期教育学とを媒介する機能を果たしたと見なされるのである。そのことは、ノールの1933年の著作『地方運動』、1935年の著作『ドイツにおける教育運動とその理論』、さらに今回新たに分析した未公刊講義録「国民教育の基礎」における、ナチズムへの迎合的な言辞からも確認される。
ノールの後継者、ヴェーニガ-においても、とりわけ1930年以降の「軍事教育学」構想において、戦争経験の陶治論的意義を強調し、ヒトラーの『我が闘争』を詳細に引用するなど、ナチズムへの親和的関係性が確認された。
研究の成果は、『近代教育フォーラム』(教育思想史学会年報No.6,1997)に論文「ナチズムと教育学-ヘルマン・ノールのケーススタディ」として公表したほか、中国四国教育学会第49回大会(1997年11月8日、広島大学)において「ナチズムとH.ノール教育学(3)-E.ヴェーニガ-の軍事教育学」として口頭発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 坂越正樹: "ナチズムと教育学-ヘルマン・ノールのケーススタディ" 近代教育フォーラム. No.6. 1-15 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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