平成9年度の研究実施計画にしたがってつぎのような準備と研究を進めた。 1.フランスの教育制度、進路指導についての現状を詳細に述べた文献資料を収集した。 2.パリで開催されたフランス語圏比較教育学会の準備大会で研究発表を行ったが、その際、パリにある国立職業指導研究センター、国立教育研究所等で面接調査と資料収集を行った。 3.転科については、事例研究が不可欠であると判明し、日本の高等学校にあたるリセの訪問と関係者への面接調査を試みたが、短い滞在であったために、双方の時間が合わずに実現しなかった。 この点については、1998年7月にヨーロッパ比較教育学会での発表に渡欧する予定であり、その際実現させたい。 4.転科を可能にする教育課程については、容易に入手できると想定していたが、具体的に明記された課程については難しいようであり、フランスの中等教育で進路指導カウンセラ-をしている知人や研究者と交信を続け、具体的な事例を求めたいと努力している。 5.転科、転学を含めた生徒の進路についての統計に関しては、昨年パリに行った際、教育省教育統計・予測局で入手することができ、いま図表化をしている。 6.これまで集積した資料等を分析し、所期の研究目的を遂行していくつもりである。
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