本研究は、近年中国において制定された「中華人民共和国教育法」(1995年3月18日制定)を対象として、その成立過程、法規範論理そして法現象過程を解明した。この場合、成立過程については、同法の立法過程のみならず、中国の教育法制の歴史過程や、同法の法規範論理を間接的に規定する教育理論と法理論の変容過程も考案した。つぎに、法規範論理については同法の条文に関して同法以外の関係教育法規との関連を中心に法解釈学的に、その法理論を考案した。さらに、法現象過程については、同法と教育社会との関係を中心に、同法の成立や執行による法社会現象を対象として、特に学校法・教師法・教育投資法による法現象の構造と問題点を考察した。 以上の研究により、これまで明らかにされなかった現代中国の教育法規の法理論・法構造・法体系・法現象が実証的及び体系的に解明されたと考える。
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