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1998 年度 実績報告書

多民族社会における民族エリート養成の実態に関する調査研究-マレーシアを中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 09610270
研究機関九州大学

研究代表者

竹熊 尚夫  九州大学, 大学院人間環境学研究科, 講師 (10264003)

キーワード多民族社会 / 民族エリート / エリート養成 / マレーシア
研究概要

マレーシア紳士録Who′s Whoを分析した結果、以下のようなことが明らかにされた。
・エリートはマレーシア各州からの出身者によって構成されていた。マレー系の多い州はペルリス、クランタン、トレンガヌ州などで、中華系はサラワク、首都圏では50%弱を占めていた。 ・現在の中国系エリートは早期(中等後教育)から留学する傾向が強く、中国語系中等学校を経たエリートには、高等教育の留学先として、中国語圏を選ぶ傾向にある。他の、当時の英語学校や国民学校出身者よりも、進学先が限定されている。 ・マレー系エリートにおいても英米留学は多いが、それ以外にも、特に学士レベルではシンガポール、オーストラリアなど留学先が多様化している。これは例えば日本のルックイースト政策などと同様に国際関係を反映したものであろう。これに対して、中国系エリートは私費留学が多く、そのためか英米留学が圧倒的であり、中でも最終留学地がイギリスとなる傾向が確認された。 ・ボルネオ北部の東マレーシア出身者にはオーストラリア留学の傾向が強く見られた。これにいは地理的な近さや、英語教育が東マレーシアでは依然として重視されていることなどがあげられるであろう。
この他、全般的な研究を通して、現在のエリートの養成過程を民族別などさまざまな角度から検討することによって、民族別の教育経路が特定の学校への進学を通して存在していたことは明らかにできた。現在、これらの学校の中には国民学校への統合を通して、かつてほどの教育力、社会的影響力を持っていないものもある。現在のエリート養成過程が、進学高校先、留学先、大学先でどのように構成され、そこで形成される学生の意識がどのようなものとなっているか今後の検討課題としたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 竹熊尚夫: "マレーシアの民族教育制度研究" 九州大学出版会, 190 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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