マレーシア紳士録"New Malaysian Who's who"より、ランダムサンプリングを行い約600名のデータを抽出し、統計分析した結果、以下のようなことが明らかにされた。 各エリートはマレーシア各州からの出身者によって構成されている。マレー系の多い州はペルリス、クランタン、トレンガヌ州などで、中華系はサラワク、首都圏では50%弱を占めていた。現在の中華系エリートは中等後教育段階から留学する傾向が強く、華文中学を経たエリートには、中国語圏の大学を選ぶ傾向にあり、進学先が限定されている。マレー系エリートにおいても英米留学は多いが、それ以外にも、特に学士レベルではシンガポール、オーストラリア等留学先が多様化している。これに対して、中華系エリートは私費留学が多く、そのためか英米留学が圧倒的であり、中でも最終留学地が英国となる傾向が確認された。ボルネオ島北部の東マレーシア出身者にはオーストラリア留学の傾向が強く見られた。これには地理的な近さや、英語教育が東マレーシアでは依然として強い傾向にあることが考えられる。海外の資格及び単位の認定がどの程度認められるかは民族学校の存亡にかかわる重大な問題である。各先進国では留学生を受け入れるための、単位認定や、マレーシアの各民族系の高校の認定を行っている。米国ではAACRAO(The American Association of Collegiate Registars and Admission Officers)より留学生の受入、進学に関する情報提供を行っている。特にマレーシア、インドネシア、タイ等では学位証明書の写し、記載の単位の相当グレードなど詳細に示されている。英国ではNARIC(The nationjal Academic Recognition Information Centre)が"Inertnational Guide to Qualifications in Education"を出版している。オーストラリアではIDP Education AustraliaやAVCC(Australian Vice-Chancellor'scommittee)が留学生獲得に向けての情報提供、交流協定のサポートを行っている。
|