実施研究は、3つに区分される。第一は、工業高校・高専・工学部のア-ティキュレーションおよびトランジッションに関する研究、第二は、工業高校改革の進行が第一に及ぼす影響、第三は、鳥取県をケーススタディとしてとりあげる地域研究である。本年度は、第一、第二、第三の研究について、それぞれ工業高校・高専・工学部・地域の対象別に、以下のように基礎的資料の収集や整理、予備調査を行った。 1 工業高校・・・既に収集済みの全国公立工業高校の学校要覧から、生徒の進路状況の把握を行うとともに、その傾向をタイプ別に分類する作業を継続中である。鳥取県内の高校については、卒業生・教員のインタビューを実施した。また、実施済みの工業科教員を対象としたアンケートからは、工業高校が抱える教育問題が原初的に読みとれるが、課題に沿った考察を継続中である。高校改革関連資料については、各都道府県教育委員会が通じて請求したが、現在進行中の県が大半であり、入手できた資料も途中経過を示すものが多い。 2 高専・・・全国の高等専門学校を対象として、学校要覧等の資料を収集し、工業高校からの編入学、工学部への編入学、専攻科の設置状況、大学院への進学状況等を調査した。 3 工学部・・・鳥取大学を対象として、高専からの編入学者に聞き取り調査を行い、高専と工学部のカリキュラムの接続関係、高専における編入学・進学状況等を把握した。 4 地域・・・鳥取県科学技術振興施策検討委員会に参加し、地域の産業活性化や科学技術関連の人材養成に関する行政資料・関係資料の収集と関係者との議論を行った。 平成10年度については、各対象別に本調査を実施する予定である。
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