a.先行研究の検討 天野郁夫『試験の社会史』、斉藤利彦『試験と競争の学校史』、堀松武一「明治期における小学試験法」(『教育学研究』38-2)、山本信良「試験と明治期小学校」(『地方教育史研究』9)などの諸研究を批判的に検討した。 b.基礎資料の収集 (1)各府県の教育通史から、明治期小学校の試験に関わる部分を抽出・複写した。 (2)国会図書館等に所蔵されている明治期小学校関係資料を調査した。 (3)玉川大学附属図書館の明治期小学校関係資料の調査を行い、必要な資料の目録化と複写を行った。 c.特定地域の研究 (1)大阪府立図書館等で、西日本の明治期比較試験の調査をおこなった。 (2)岐阜県歴史資料館で、岐阜県の明治期比較試験の調査をおこなった。 (3)名古屋大学等で、中部地方の明治期比較試験の調査をおこなった。 (4)宮城県立図書館等で、東北地方の明治期比較試験の調査をおこなった。 d.実証と分析 個別の小学試験法の考証の結果、明治期の各地の小学校における比較試験制度において、近世の試験からの影響と明治になってからの西洋の試験制度からの影響の両面があることがわかった。 e.研究成果の公表 研究成果の一部は、第43回教育史学会および第45回教育史学会において報告した。 また最終報告書『明治初期における小学試験制度の実施形』を作成した。
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