・文献資料の収集とデータベース化:日本が朝鮮を植民地支配したのは明治43年から昭和20年までであるが、本研究では、植民地時代の朝鮮についての知識がどのように形成されたかを理解することを含めて、文献調査の対象は明治初期から昭和20年までとした。朝鮮に関する著書、論文その他の出版物をリストアップし、そのうちから社会の現状、社会制度、風習、民俗などにかかわるものを中心に、1601件延べ1688点の資料を収集し、画像データとしてコンピュータに読み込んでデータベースを作成した。その概要は以下の通りである。 植民地統治、行政関係 106点 治安、抗日運動、社会運動関係 148点 民俗関係(衣食住を含む) 582点 社会組織関係(親族慣行を含む) 192点 現地事情 27点 その他 633点 ・索引添付作業:上記データベースについて、社会制度および農村社会事情に直接触れている資料を中心として、調査地、調査時期などを含めて、ページ毎に索引を付す作業を行っている。この作業は平成12年度中に完成を予定している。 ・現在の研究動向調査:韓国側における植民地期社会研究の動向を把握するため、平成11年8月18日〜26日にかけて韓国を訪問した。具体的には、ソウル大学、全南大学、および韓国精神文化研究院において研究事情について研究者から説明を受けた。また植民地時代の資料を利用した研究の行われている場所として、全羅南道珍島郡(植民地期の農村振興運動研究)と全羅南道求禮郡(旧韓末から植民地期についての地主家の日記が残されている)の現地を視察した。
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