研究分担者 |
矢口 祐人 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (00271700)
佐々木 亨 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (80292308)
山田 伸一 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (30291909)
手塚 薫 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (40222145)
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研究概要 |
本研究は,研究者が民族学的情報を他者,特に一般へ伝達する手段としての博物館の機能に着目し,民族学的情報伝達装置としての博物館の意義を再検討することを目的としている。 1.資料研究。本年度は,1989(平成元)年度以降に北海道開拓記念館が収集したアイヌ民族資料約500点について分析を行った。視点は,寄贈者(それまで資料を所有していたコレクター)が,いかなる視点で収集していたか,ということに主眼をおき,本研究の特色をだした。本年度は,図版目録を刊行し,資料の解題で成果の一部を公表する。さらに掘り下げた分析は次年度以降とし,最終報告書に掲載する(出利葉・手塚)。 2.展示研究。本年度は網走,帯広,旭川において展示調査を行った。この分野について,本研究参加者のうち3人が,新法律に基づいて設立された(財)アイヌ文化振興・研究推進機構が企画する2つの特別展示会(サハリン展・土佐林展)の主体的メンバーとなり準備・実施に時間を費やしたため他施設展示の客観的調査はできなかった。しかし,アイヌ新法関連展示会の企画担当という立場で参画できたことは,本研究で行ってきた議論をそこに反映することができたと考えている。サハリン展・土佐林展の分析も含めて,次年度に報告する。 3.歴史的研究。ひとつは佐々木亨が満州国時代のオロチョンを例に,観光資源,展示対象という観点から研究を進めた。山田は,開道50年記念博覧会のほか昭和11年の天覧アイヌ資料関係文献を調査した。 4.普及活動研究。アイヌの罠についての体験学習を計画した。本年度は,基本的計画と小学生向け講習プログラムを作成した。次年度も,同一プログラムを実施し,企画者の意図がどのように生徒に伝わり,通常の授業と相まってどのような「効果」をもたらすのか,アンケート調査する(手塚・出利葉)。
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