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1997 年度 実績報告書

近世畿内における幕府支配機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610334
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

村田 路人  大阪大学, 文学部, 助教授 (40144414)

キーワード代官郡触(だいかんぐんぶれ) / 畿内近国広域支配 / 京都町奉行 / 上方八カ国代官 / 国役
研究概要

今年度は、京都町奉行の上方八カ国代官に対する支配のあり方を検討し、幕府の畿内近国広域支配の特質を考察した。具体的には、摂津・河内・和泉の村々に残されている触留帳の分析によって、正徳-亨保期という時期に存在した「代官郡触」を取り上げ、論文「代官郡触と幕府の畿内近国広域支配」を『待兼山論叢』31号史学篇に発表した。
「代官郡触」とは、京都町奉行の支配下にあった上方八カ国代官が、それぞれ一つの郡を担当し、京都町奉行の触を郡内の幕領・私領村々に回達するよう命じた触のことである。当時、京都町奉行は、朝鮮人来朝に伴う費用や、大河川の堤防修復に要する費用を畿内近国の国々に国役割することがあったが、その際、役賦課を命ずる触を賦課対象村々に回す必要があった。その結果、同奉行が触回達権を有していた国々は問題がなかったが、触回達権を有していなかった国々(大坂町奉行の支配下にあった摂津・河内・和泉)については、何らかの工夫が必要であった。「代官郡触」は、その工夫の一つとして採用されたものである。
「代官郡触」は、国役賦課という、京都町奉行の幕領・私領にかかわらぬ畿内近国広域支配を実現させるために、支配下の上方八カ国代官を利用したものであり、代官が幕府の広域支配を担っていたことを示す一例である。従来は、京都町奉行が上方八カ国代官を支配していたという事実とともに、代官のこのような機能については、ほとんど知られていなかった。本論文は、これまで、もっぱら京都町奉行や大坂町奉行などの幕府広域支配機関の権限・機能という側面から論じられてきた畿内近国広域支配論に、京都町奉行の上方八カ国代官支配という視点を積極的に導入しようとする試みであり、その目的は一定度達成しえたと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村田路人: "代官郡触と幕府の畿内近国広域支配" 待兼山論叢史学篇. 31. 1-25 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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