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1998 年度 実績報告書

近世畿内における幕対支配機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610334
研究機関大阪大学

研究代表者

村田 路人  大阪大学, 文学部, 助教授 (40144414)

キーワード享保の国分け / 上方八カ国代官 / 群触 / 大坂町奉行 / 京都町奉行 / 広域支配権
研究概要

今年度は、(A)いわゆる享保の国分けを、京都・大坂町奉行の上方八カ国代官支配とのかかわりにおいて考察した研究、(B)京都町奉行や大坂町奉行が郡ごとに出した広域触(郡触)の回達のありかたの検討を通して、畿内非領国地域における広域支配権実現の論理を考察した研究を行い、それぞれ、「享保の国分けと京都・大坂町奉行の代官支配」 (大阪大学文学部日本史研究室編「近世近代の地域と権力」清文堂出版、1998年12月)、「近世の地域支配と触」 (「歴史評論」587号、1999年3月)として発表した。(A)では、享保7年(1722)の京都・大坂町奉行の地方についての裁判管轄範囲の変更(それまでは、京都町奉行が上方八カ国を担当していたが、この年以降、山城・大和・丹波・近江が京都町奉行、摂津・河内・和泉・播磨が大坂町奉行の管轄となった)が、両奉行の上方八カ国代官の支配と結び付いていたことを明らかにした。すなわち、京都町奉行が八カ国についての裁判権を有していたのは、論所に検便として派遣される代官を支配していたからであり、国分けによって、大坂町奉行にも検使派遣の権限が新たに付与されたのであった。(B)では、元禄一享保期に摂津国住吉郡に回達された98例の郡触の回達ルートの実態と特質を明らかにするとともに、触伝達権実現の論理を検討した。その結果、回達ルートに関しては、大坂町奉行による公定のルートは存在したものの、基本的には地域の判断によって回達されていたこと、回達第1村への伝達は、第1村とその領主との関係(領主的関係)を利用することによって実現しており、広域支配権の実現には一定の論理が存在したことが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 村田路人: "近世の地域支配と触" 歴史評論. 587. 54-68 (1999)

  • [文献書誌] 大阪大学文学部日本史研究室: "『近世近代の地域と権力』(収録論文名「享保の国分けと京都・大坂町奉行の代官支配" 清文堂出版, 596(4325-4341) (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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