沖縄については、これまでの調査にもとづいて、北河が所属する日本現代思想史研究会において、「戦中・戦後初期沖縄の社会と民衆意識」と題して、当該テーマに関する資料・研究状況と問題点の整理を中心とする中間報告をおこなった.また、長野県下伊那地方については、これまでの青年団の研究(「青年団における戦後の出発」と題して発表)をふまえて、さらに戦後初期の社会問題、婦人団体、社会教育などに関する資料の収集と聞き取りをおこなった.地方文化運動については、北九州・熊本・金沢・鶴岡などで資料を収集した.北九州については、戦時中の北九州文化連盟とその中心人物火野葦平・劉寒吉・岩下俊作に関して、熊本については、熊本文化協会と中心人物荒木精之に関して、それぞれかなりまとまった資料を収集し、関連文献および研究と照合して整理することができた.また、金沢では大政翼賛会石川県支部文化運動資料、鶴岡では鶴岡文化協会資料などを収集した.この外、上記の地域調査と侍行して、戦中・戦後の地方文化に関する新聞・雑誌記事を調査・整理している(継続中).なお、今年度末(3月)には、下伊那での補足調査、金沢での映画・演劇資料調査と、青森・弘前の戦中・戦後資料の調査を実施する.
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