1、 今年度の現状と問題点 平成10年度の目標であった鎌倉時代までの編年史料カード作成が順調に進行したので、予定外の室町・安土桃山時代(元和元年まで)の調査済史料カードを作成した。これらのカードを既定の各項目に従ってパソコンに入力し、3月10日現在で総数約700件に達した。但し1項目に多数の該当史料が存在した場合、それらをすべてカード化してパソコンに入力することは時間的な制約が大きく、また個人で網羅的な史料蒐集は困難であるため、代表的な史料1〜2点に限って採用することにした。 また検討課題の一つであったカード貼付史料のテキストファイル化は、更なる検討を要するものの、スキャナーの性能上速やかな達成が困難と判明したため、今回は見送ることにした。なお本研究の将来的目標である『古代・中世熱田社基礎編年史料集』(仮題)の作成・出版についての準備作業として、カード貼付史料の原稿化を図らなければならないが、そのためには院生クラスの人的支援が相当数必要となる。 2、 研究の成果 昨年度及び今年度途中成果をもとに、以下の3件を学会で口頭報告した。なお研究論文は裏面参照。 (1) 平治の乱と熱田社 第32回軍事史学会年次大会 (2) 熱田社権宮司家「田島丹波系図」について 第44回神道史学会大会 (3) 熱田大宮司「職」についてー補任形態・在職期間の検討を通してー 第52回神道宗教学会学術大会 3、 次年度の目標 (1) 熱田神宮への奉納物のうち奉納年月日が明らかな品物(刀剣・工芸品など)の調査、及び鎌倉・室町時代の史料カード作成・パソコン入力をほぼ完了することを目指す。 (2) 中世熱田大宮司職の権力構造、権宮司馬場家の諸系図についての研究論文執筆。
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