• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

家訓・遺言等よりみる民衆の宗教・倫理観-近代化の精神的基礎解明のために-

研究課題

研究課題/領域番号 09610351
研究機関広島経済大学

研究代表者

有元 正雄  広島経済大学, 経済学部, 教授 (60079267)

キーワード家訓・遺言 / 真宗篤信地帯 / 民衆の信仰 / 民衆の倫理 / 首(主)神崇拝 / 祈祷行為の排除 / 豪農商の役儀観
研究概要

平成11年度は主として北陸・東山の真宗篤信地帯(福井・石川・富山・新潟・岐阜県)と西日本の真宗篤信地帯(広島・山口・大分・福岡・熊本県)を中心に調査し、その他大阪・奈良・岡山県等を補助的に調査した。
家訓・遺言類を中心に資料を収集したが、その他多数の民衆における宗教・倫理に関する史料をも採取した。
家訓・遺言類は史料を解析し論文にまとめた。その要点は以下の通りである。
1.この地帯における信仰は弥陀一仏に対する首神崇拝で、宗教関係が比較的単純であり、旦那寺との関係が特に強調される。すなわち旦那寺に身分相応に勤め、僧侶からの聴聞の必要が述べられる。また弥陀一仏への首神崇拝によって現世利益的な祈祷行為を排除し、病気に際しても医薬の尊重を謳っている。
2.民衆の倫理観は、勤勉・節倹・忍耐・正直など禁欲的な側面が一きわ強く、凶作・飢餓等に際し救恤の必要が強調される。
3.この地帯の豪農商の役儀観については、村内における勧農・教導を謳ったものが多い。また真宗寺院の教導が行き届き民衆の上層から下層までが同一の信仰と倫理をもち合理的・倫理的な生活態度が成立しているといえる。
家訓・遺言類以外の多数の収集史料については、目下日本の主要地域を三つの地帯に区分し、近代化に視点をすえた宗教社会史の研究をすすめているので、その研究の中で活用していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 有元正雄: "家訓・遺言にみる民衆の信仰と倫理(一)"広島経済大学研究論集. 22・1. 97-115 (1999)

  • [文献書誌] 有元正雄: "家訓・遺言にみる民衆の信仰と倫理(二)"広島経済大学研究論集. 22・2. 23-42 (1999)

  • [文献書誌] 有元正雄: "家訓・遺言にみる民衆の信仰と倫理(三)"広島経済大学研究論集. 22・3. 25-47 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi