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1997 年度 実績報告書

固着した古文書類の簡便な展開法の研究-凍結真空乾燥法を利用して-

研究課題

研究課題/領域番号 09610358
研究種目

基盤研究(C)

研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

村田 忠繁  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (50210042)

研究分担者 中越 正子  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (40280838)
石井 里佳  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (30250351)
金城 直子  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (20169585)
キーワード固着文書 / 凍結乾燥 / 真空乾燥 / 昇華 / 水素結合 / van der Waals力 / 引っ張り試験
研究概要

今年度、研究者等が試料収集を兼ねた実態調査を実施した結果、古文書に関する収集・整理・調査・研究・保存は飛躍的に進展している一方で、固着文書は収集整理の段階でその範疇から外れることが多く、収集できたものも固着しているがゆえに研究対象にはならず燻蒸処置のみ施し保管されている現状が明らかになった。また、調査を欲した文書であっても、その紙葉の展開にかかる費用が大きくなること、担当者自身が展開するにもそのための技術や知識が浅く、史料保存のためにそのままにしてあることが明らかになった。
本研究のために提供されあるいは情報を得た固着文書の中には、本研究の対象、すなわち凍結させ真空乾燥によって展開する必要がある板状の文書や劣化が極度に進んだ文書ではなく、虫食いによる孔がホック状になり展開しづらいだけの文書も一定数あった。それらは、ヘラ状の道具を使えば担当者が簡単に展開できるもので、本研究の発端ではあるが史料を扱う機関や個人の固着文書の現状認識が明らかになった意味は大きいといえる。同時に、史料研究のためにもこのような現状を伝え広める必要性を痛感する。
和紙を凍結させることは再度水を通すことであり、そのために和紙の強度劣化が問題となる。引っ張り試験機を用い強度変化を認識したところ、水を通すことで、おおむね半分以下に強度が下がることがわかった。そこで、和紙を始めとして様々な紙について、水分率や乾燥方法の違いによる強度試験計画を立てることにした。
凍結真空乾燥で以て展開できた固着文書の紙質や強度に問題がない状況を明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 村田忠繁: "凍結乾燥法を利用した固着文書の展開" 第22回日本民具学会大会研究発表要旨. 14- (1997)

  • [文献書誌] 村田忠繁: "史料保存と保存科学" 元興寺文化財研究所創立三十周年記念誌. 192-196 (1997)

  • [文献書誌] 石井里佳: "紙史料の修復" 元興寺文化財研究所創立三十周年記念誌. 197-202 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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