研究課題/領域番号 |
09610360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 勝芳 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (20002553)
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研究分担者 |
丸山 宏 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00229626)
岡 洋樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00223991)
瀬川 昌久 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00187832)
磯部 彰 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90143841)
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キーワード | 関羽 / 関帝信仰 / 東北アジア / 関帝廟 / 三国志演義 / 関帝像 / 華僑社会 |
研究概要 |
中国を中心として華僑・華人居住地域に広がりを見せている関帝信仰を、東北アジアについて歴史的・現在的に学際的研究を推進することを目的としている本研究においては、各地域ごと、各社会層ごとの信仰状況、及び文学、芸能、信仰儀礼面など多様なジャンル、それぞれの関帝信仰の具体相をまず究明しなければならない。そのため、本年度は日本国内の資料所蔵機関での資料収集とともに、函館、横浜、神戸、水戸、沖縄等の関帝信仰状況、さらには別途海外出張した際にえられた知見等を集積し、分析する作業を主として行った。その結果、日本における関帝信仰については、江戸時代、長崎の中国人が信仰した3唐寺等の関帝や宇治の万福寺の伽藍神としての関帝を中心として広がりを見せ、直接的な関帝霊籖(おみくじ)のような形で、あるいは書物、絵画面での影響の広がりについて、従来の研究で明確でなかった諸点を明らかにすることができた。また沖縄等について地域ごとの特色も明らかにしつつある。さらに中国については、宗教儀礼的研究や香港・広州等における広範な信仰状況についての現地調査研究を行い、及び歴代の関係文献収集によってその豊かな信仰の諸相を解明することができた。モンゴルについては信仰を示す「モンゴル文関帝霊籖」等について検討を進めつつある。これらのうち、代表者は本年度の研究会において民間信仰の最上位神とまでなっている関帝信仰の全般について報告し、それを本年7月までに「関帝廟に集まる地域」として公表する予定であり、研究分担者は国内文献調査の一部について「越中国の関帝文献」として公表し、また華南地域の信仰を観音信仰などと比較したもの、モンゴル文献の意義や道教儀礼における関帝信仰などについてそれぞれ論文執筆の準備を進めている。
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