侯外廬『中国封建社会史論』(人民出版社刊、1979年)の翻訳作業を進めた。 本書は実証面のみでなく、その理論構成において大変難解であり、したがってまず報告者の専門領域に近い第3章にあたる「秦漢社会的研究」からとりかかった。 多くの引用のあるマルクス・レ-ニン等の文献については、中国語訳文と邦語訳文(既刊書)を比較検討し、また引用の漢文史料については、原典にいちいちあたって確認作業をすすめた。 アジアの封建社会の特徴を理論的にとらえる必要から、97年9月に上越教育大で開かれた「東アジアの歴史と歴史教育についての国際シンポジウム」に参加し、中国・韓国・ロシア等の研究者と交流し、報告資料を入手し、学ぶところが多かった。 必要資料蒐集については、東京大学・東京学芸大学各図書館・東洋文庫を利用し、また蓬左文庫(名古屋市)で漢籍史料を調査し、東洋陶磁美術館・大阪市立美術館(ともに大阪市)で美術品(出土物)等を調査した。
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